Webtoon(タテ読み)原稿の作り方と設定

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Webtoon(タテ読み)原稿の作り方

Webtoonは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスで快適に読めるよう、縦方向にスクロールして読む形式の漫画です。この特異なフォーマットは、従来の横読み漫画とは異なる制作プロセスを要求します。ここでは、Webtoon原稿の作り方とその設定について、詳しく解説します。

1. 企画・ストーリー構成

Webtoonは、読者の飽きさせないテンポ感と、各話ごとの引きが重要視されます。そのため、企画段階からストーリー構成に工夫が必要です。

1.1. ストーリーの骨子

まずは、作品全体のあらすじ、主要キャラクターの設定、世界観などを明確に定義します。Webtoonは連載形式が多いため、長期にわたって読者を引きつけられるような、練り込まれたストーリーが求められます。

1.2. 各話の構成

各話は、数コマから数十コマで構成されることが一般的です。読者が次の話を読みたくなるような、クリフハンガーや衝撃的な展開を各話の最後に配置することを意識しましょう。また、縦スクロールの特性を活かし、ズームイン・ズームアウトやスピード感のある展開などを効果的に取り入れることで、読者を飽きさせない工夫が可能です。

1.3. ターゲット読者層

どのような読者層をターゲットにするかによって、ストーリーのジャンルや表現方法も変わってきます。ロマンス、ファンタジー、アクション、ホラーなど、ターゲット層に響くテーマを選定し、それに合わせたストーリー展開を考えます。

2. 原稿制作の基本設定

Webtoonの制作には、特定のサイズや解像度などの設定が重要になります。プラットフォームによって推奨されるサイズが異なる場合もありますが、一般的な設定を把握しておくことが重要です。

2.1. サイズと解像度

* 幅: 一般的に、720ピクセル(px)が標準とされています。これは、多くのスマートフォンで表示される際の最適化を考慮したサイズです。
* 高さ: 高さには明確な上限はありませんが、1話あたりの総高は5,000pxから10,000px程度に収めるのが一般的です。これを超えると、読者のスクロール負荷が増大し、読みにくくなる可能性があります。
* 解像度: 72dpiまたは150dpiが一般的です。Webtoonは主にデジタルで閲覧されるため、印刷用の高解像度は必要ありません。

2.2. カラー設定

Webtoonは、ほとんどの場合フルカラーで制作されます。読者の没入感を高めるために、魅力的な色彩表現が重要です。

2.3. ファイル形式

一般的に、PNG形式で保存されます。PNGは透過をサポートし、画質の劣化が少ないため、Webtoon制作に適しています。

3. 作画プロセス

Webtoonの作画は、デジタルツールを用いるのが主流です。

3.1. 使用ツール

* ペイントソフト: CLIP STUDIO PAINT、Photoshop、Procreateなどがよく使用されます。これらのソフトは、漫画制作に必要なブラシ、レイヤー機能、トーンなどを豊富に備えています。

3.2. ネーム(下描き)

ストーリーとコマ割りを確定させる重要な工程です。縦スクロールを意識し、コマの配置やキャラクターの配置、セリフの配置を練ります。コマの区切りを明確にしすぎず、余白を活かした表現も有効です。

3.3. 線画

ネームをもとに、キャラクターや背景の線画を清書します。Webtoonでは、太めの線が潰れにくく、視認性が高まる傾向があります。

3.4. 着色

キャラクターや背景に色を塗ります。Webtoonはカラーが基本なので、キャラクターの魅力や世界観の表現に力を入れる必要があります。アニメ調の塗りや厚塗りなど、作品の雰囲気に合わせた塗り方を採用します。

3.5. 効果・演出

トーン、効果線、光の表現などを加えることで、作品に深みと臨場感を与えます。縦スクロールの特性を活かしたズーム効果や画面の揺れなども効果的です。

3.6. セリフ・フキダシ

セリフは、読みやすいフォントを選び、適切なサイズで配置します。フキダシの形状や配置も、キャラクターの感情や状況を表現するために重要です。

4. 縦スクロールならではの工夫

Webtoonは、縦スクロールという特性を最大限に活かすことで、より魅力的な作品になります。

4.1. コマ割りとテンポ

コマを縦に長く繋げたり、狭めて配置したりすることで、スピード感や緊張感を演出できます。コマとコマの間の余白を効果的に使うことで、読者の視線を誘導することも可能です。

4.2. 奥行きと広がり

縦に長い画面を活かして、雄大な景色やキャラクターの成長過程などを表現できます。画面を徐々に展開させることで、読者を物語の世界に深く引き込むことができます。

4.3. 視覚的な驚き

突然のズームインや画面の切り替わりなど、縦スクロールならではのサプライズ演出は、読者の心を掴む強力な武器となります。

5. 最終調整と入稿

原稿が完成したら、最終的な調整を行い、プラットフォームへの入稿準備をします。

5.1. 全体的なチェック

誤字脱字、作画のミス、色の諧調などを最終確認します。

5.2. ファイルの整理

各話ごとに、指定されたファイル名でPNG形式に保存します。

5.3. プラットフォームへの入稿

各Webtoonプラットフォームのガイドラインに従って、原稿を入稿します。

まとめ

Webtoon原稿の制作は、従来の漫画制作とは異なる視点と技術が求められます。企画段階から縦スクロールの特性を意識し、読者を飽きさせないストーリー構成と、視覚的に魅力的な表現を追求することが重要です。適切なサイズ設定、デジタルツールの活用、そして縦スクロールならではの演出を駆使することで、魅力的なWebtoon作品を生み出すことができます。

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