XP-PENドライバの複数バージョン共存について
XP-PENのペンタブレットや液晶タブレットは、その機能や性能を最大限に引き出すために、専用のドライバソフトウェアが必要です。しかし、使用するアプリケーションの互換性や、特定の機能の改善・修正を求めて、異なるバージョンのドライバを同時にインストールしたい、あるいは切り替えて使用したいというニーズが生じることがあります。
一般的に、PCへのドライバソフトウェアのインストールは、通常、既存のドライバをアンインストールしてから新しいバージョンをインストールする形で行われます。これは、ドライバがシステムに深く統合され、レジストリ情報などを共有するため、複数のバージョンが同時にアクティブな状態になることを想定していないためです。
しかし、XP-PENのドライバにおいても、いくつかの方法や注意点を理解することで、複数バージョンを共存させる、あるいは意図的に切り替えて使用することが可能になります。ここでは、その具体的な方法や考慮すべき点について解説します。
複数バージョン共存の基本的な考え方
XP-PENのドライバを複数バージョン共存させるという言葉には、いくつかの意味合いが考えられます。
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複数バージョンを同時にインストールし、必要に応じて切り替えて使用する
この場合、PCのシステム上には複数のバージョンのドライバファイルが存在しますが、同時にアクティブになるのは一つだけです。OSの機能や、ドライバ管理ツールの助けを借りて、使用したいバージョンを一時的に有効化する形になります。 -
特定のハードウェア(複数のXP-PENデバイス)にそれぞれ異なるバージョンのドライバを適用する
これは、XP-PENが複数のデバイスを同時にサポートしている場合に、それぞれのデバイスに最適なドライババージョンを適用するというシナリオです。しかし、XP-PENのドライバは通常、システム全体に適用されるため、このシナリオも厳密には「共存」とは異なる場合があります。
一般的に、ユーザーが「複数バージョン共存」を求めるのは、前者の「必要に応じて切り替えて使用する」というケースが多いと考えられます。
共存を実現するための具体的な方法
XP-PENのドライバを複数バージョン共存させるための直接的な「公式機能」は提供されていません。しかし、以下の方法や工夫によって、目的を達成できる可能性があります。
1. ドライバのインストールとアンインストールの手動管理
これが最も基本的かつ確実な方法です。
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[手順]
- 現在インストールされているXP-PENドライバを完全にアンインストールします。
- 使用したいバージョンのドライバインストーラーをダウンロードし、インストールします。
- 必要に応じて、PCを再起動します。
- 別のバージョンのドライバを使用したい場合は、再度上記の手順1から繰り返します。
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[注意点]
- アンインストールが不完全だと、予期せぬ不具合の原因となることがあります。XP-PENの公式ウェブサイトで提供されているアンインストールツール(もしあれば)を使用するか、コントロールパネルの「プログラムの追加と削除」(または「アプリと機能」)から丁寧にアンインストールしてください。
- インストールするドライバのバージョンは、XP-PENの公式ウェブサイトから、ご使用のOS(Windowsのバージョン、32bit/64bitなど)に対応したものをダウンロードしてください。
- ドライバのインストール後、PCの再起動は推奨されます。
2. インストールフォルダのバックアップと復元(非推奨、上級者向け)
これは、ドライバのインストールファイル自体をバックアップし、必要に応じて上書きインストールすることで、実質的にバージョンを切り替える方法です。
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[手順]
- あるバージョンのドライバをインストールします。
- インストールが完了したら、そのドライバがインストールされているフォルダ(通常は「Program Files」や「Program Files (x86)」の中)を別の場所(例:外部ストレージ、別のフォルダ)にコピーしてバックアップします。
- 別のバージョンのドライバを使用したい場合は、まず現在のドライバをアンインストールします。
- バックアップしておいた使用したいバージョンのドライバフォルダを、元のインストール場所にコピー&ペーストして上書きします。
- XP-PENのドライバ設定ツールなどを起動し、正しく認識されているか確認します。必要に応じてPCを再起動します。
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[注意点]
- この方法は、ドライバのファイル構成やレジストリ情報に依存するため、必ずしも成功するとは限りません。ドライバのバージョンによっては、ファイルの一部のみのコピーでは正常に動作しない場合があります。
- インストールフォルダの場所は、ドライバのバージョンによって異なる可能性があります。
- レジストリ情報が同期されないため、意図しない動作を引き起こす可能性があります。この方法は、自己責任で行ってください。
3. 仮想環境の利用
より高度な方法として、仮想環境(Virtual Machine)を利用することが考えられます。
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[手順]
- VirtualBoxやVMwareなどの仮想化ソフトウェアをPCにインストールします。
- 仮想環境内に、OS(Windowsなど)を新規インストールします。
- 仮想環境内に、使用したいバージョンのXP-PENドライバをインストールします。
- 別のバージョンのドライバを使用したい場合は、別の仮想環境を作成し、その中に目的のバージョンのドライバをインストールします。
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[注意点]
- 仮想環境では、USBデバイスのパススルー設定が重要になります。XP-PENデバイスが仮想環境から認識されるように設定する必要があります。
- 仮想環境の構築と管理には、ある程度のPC知識とリソース(CPU、メモリ、ストレージ)が必要です。
- 仮想環境内でドライバをインストールしても、ホストPCのOSにインストールされているドライバとは完全に独立した環境となります。
考慮すべきその他の事項
互換性の問題
XP-PENのドライバは、特定のOSバージョンやハードウェア構成に対して最適化されています。古いバージョンのドライバを新しいOSで使用したり、その逆を行ったりすると、互換性の問題が発生し、デバイスが正常に動作しない可能性があります。
アプリケーションとの連携
特定のペイントソフトやCGソフトは、特定のドライババージョンとのみ良好に連携するように設計されている場合があります。例えば、古いバージョンでは問題なく動作していた機能が、新しいドライババージョンでは意図せず動作しなくなる、あるいはその逆も考えられます。
パフォーマンスと安定性
新しいドライババージョンは、バグ修正やパフォーマンス向上が図られていることが期待できますが、稀に新たなバグが含まれていることもあります。また、古いドライババージョンは、最新のOSとの相性が悪く、不安定になる可能性も否定できません。
サポートと保証
XP-PENの公式サポートは、通常、最新の安定版ドライバでの利用を前提としています。非公式な方法でドライバを管理した場合、問題が発生してもサポートを受けられない可能性があります。
Windows Updateとの関連
Windows UpdateによってOSが更新されると、それまで正常に動作していたドライバが不安定になったり、動作しなくなったりすることがあります。このような場合、ドライバの再インストールや、場合によっては別のバージョンのドライバへの切り替えが必要になることがあります。
まとめ
XP-PENのドライバを複数バージョン共存させる、あるいは切り替えて使用するという目的は、一般的には「必要に応じてドライバをアンインストールし、目的のバージョンをインストールする」という手動管理によって実現するのが最も現実的で安全な方法です。
インストーラーのバックアップ・復元や仮想環境の利用といった方法は、より高度な技術を要し、成功が保証されるものではありません。特に、ドライバのファイル構成やレジストリ情報に依存する手法は、予期せぬシステム不具合を招くリスクが伴います。
ドライバのバージョンを切り替える必要がある場合は、まず、ご使用のXP-PENデバイスのモデルとOSバージョンに対応した、安定したドライババージョンを公式ウェブサイトから入手することを確認してください。そして、変更を行う前には、必ず現在のドライバ環境を把握し、可能であれば重要なデータのバックアップを取ることをお勧めします。
最終的には、ご自身のPC環境、使用するアプリケーション、そして求める機能のバランスを考慮し、最も適した方法を選択することが重要です。
