XP-PEN液タブを縦画面で使用する設定
はじめに
XP-PENの液タブは、PCと接続し、描画ソフトウェア上で使用するデジタルイラストレーションツールです。多くの場合、横長の画面で設計されていますが、クリエイターによっては、縦長の画面で作業することで、より快適にイラスト制作を行える場合があります。本記事では、XP-PENの液タブをPCの縦画面設定と組み合わせて使用する際の設定方法や、その際に考慮すべき点について、詳しく解説します。
PCの画面を縦画面に設定する
液タブを縦画面で使用するためには、まずPC本体のディスプレイ設定を縦画面に変更する必要があります。この設定は、お使いのOSによって手順が異なります。
Windowsの場合
- デスクトップの何もない場所を右クリックし、「ディスプレイ設定」を選択します。
- 「ディスプレイ」設定画面が開いたら、「ディスプレイの向き」の項目を探します。
- ドロップダウンメニューから「縦」または「縦(反転)」を選択します。
- 「変更の維持」ボタンをクリックして設定を確定します。
※「縦(反転)」を選択した場合、画面が180度回転した状態で表示されます。通常は「縦」を選択すれば問題ありません。
macOSの場合
- アップルメニューから「システム設定」を選択します。
- サイドバーで「ディスプレイ」をクリックします。
- お使いのディスプレイを選択します。
- 「回転」のドロップダウンメニューから「90度」または「270度」を選択します。
- 変更を適用するために、確認メッセージが表示されたら「確認」をクリックします。
※macOSでは、ディスプレイの物理的な回転と連動させることで、画面の向きを調整します。ディスプレイを物理的に90度または270度回転させる必要があります。
XP-PENドライバの設定
PCの画面設定を変更したら、次にXP-PENのドライバソフトウェアで、液タブの画面表示をPCの画面設定に合わせる必要があります。
ドライバの起動と画面設定
- XP-PENのドライバソフトウェアを起動します。(通常はタスクトレイのアイコンをダブルクリックするか、スタートメニューから検索して起動します。)
- ドライバソフトウェアのインターフェース内で、「画面設定」または「ディスプレイ」といった項目を探します。
- 「画面設定」画面では、PCに接続されているディスプレイが表示されます。
- 通常、液タブはPCのディスプレイとして認識されており、PCの画面設定と連動して自動的に縦画面表示に切り替わるはずです。
- もし、液タブの表示がPCの縦画面設定と同期しない場合は、「画面を拡張」または「画面を複製」といった表示モードを確認してください。多くの場合は「画面を拡張」を選択し、液タブがPCの拡張ディスプレイとして機能するように設定します。
- 「画面を拡張」モードで、液タブの表示領域をPCの縦画面に正しくマッピングする設定があるか確認してください。ドライバによっては、液タブの表示領域を手動で調整できるオプションがあります。
スタイラスの座標設定
縦画面設定にしたことで、スタイラスの筆圧や座標が意図しない方向にマッピングされる場合があります。これを修正するために、ドライバの「マッピング」または「スタイラス」設定を確認します。
- ドライバソフトウェアの「マッピング」または「スタイラス」設定画面を開きます。
- 「画面」または「ディスプレイ」の項目で、液タブの描画領域がPCの縦画面と正しく連携しているか確認します。
- 「画面範囲」や「ペン領域」といった項目があれば、液タブの画面全体がPCの縦画面表示領域に正確にマッピングされるように調整します。
- 通常、PCの画面設定と連動していれば自動で調整されますが、ずれがある場合は、指示に従って手動で調整してください。
描画ソフトウェアでの設定
PCと液タブの画面設定が完了したら、使用する描画ソフトウェア側でも、キャンバスの向きを縦長に設定することが一般的です。
キャンバスの作成・変更
- 描画ソフトウェア(例: CLIP STUDIO PAINT, Photoshop, Kritaなど)を起動します。
- 新規キャンバスを作成する際に、幅と高さを縦長になるように設定します。例えば、幅を1000px、高さを2000pxのように設定します。
- 既存のキャンバスを縦長に変更したい場合は、「画像サイズ」や「キャンバスサイズ」のメニューから、幅と高さを入れ替えて設定します。
※描画ソフトウェアによっては、キャンバスの向きを簡単に切り替える機能(例: 「回転」メニュー)が用意されている場合もあります。
縦画面設定のメリットとデメリット
XP-PEN液タブを縦画面で使用することには、いくつかのメリットとデメリットがあります。
メリット
- キャラクターイラストに最適: 特に全身キャラクターを描く際に、縦長のキャンバスはキャラクターを全身収めやすく、構図の検討がしやすくなります。
- 長尺のイラストや漫画制作: ストーリーボードや漫画のコマ割りなど、縦方向に情報量が多いコンテンツの制作に適しています。
- 集中力の向上: 画面全体を縦長に使うことで、描画対象が画面中央に配置されやすく、視線移動が少なくなり、集中力を持続させやすいという意見もあります。
- 限られたデスクスペースの有効活用: 液タブの設置スペースが横長よりも縦長の方が収まりやすい場合があります。
デメリット
- 一部の描画ツールやUIの配置: ソフトウェアによっては、横長画面を前提としたUIデザインになっている場合があり、縦画面にするとツールパレットなどが画面外にはみ出したり、使いにくくなったりすることがあります。
- 広範囲の背景描写: 横方向に広い背景を描く際には、画面をスクロールさせる回数が増え、作業効率が低下する可能性があります。
- 慣れが必要: 長年横画面で作業してきた場合、縦画面に慣れるまでに時間がかかることがあります。
- PCモニターとの連携: PC本体のモニターが横長の場合、拡張表示にした際に、液タブとPCモニターの画面比率や解像度の違いによって、作業環境に違和感を感じることがあります。
その他考慮すべき点
縦画面設定をより快適にするために、以下の点も考慮すると良いでしょう。
- 描画ソフトウェアのカスタマイズ: 縦画面での作業効率を上げるために、描画ソフトウェアのツールパレットやショートカットキーを、縦画面での使いやすさに合わせてカスタマイズすることをおすすめします。不要なツールを非表示にしたり、よく使うツールを手の届きやすい位置に配置したりすることで、作業効率が向上します。
- 液タブの設置角度: 縦画面で使用する場合、液タブの角度も重要になります。長時間の作業でも疲れにくいように、適切な角度に調整できるスタンドを使用したり、クッションなどを利用したりすると良いでしょう。
- PCモニターの配置: PC本体のモニターも縦画面に設定し、液タブと並べて配置することで、より統一感のある作業環境を構築できます。
- ドライバのアップデート: XP-PENのドライバソフトウェアは定期的にアップデートされます。最新のドライバを使用することで、互換性や安定性が向上し、予期せぬ不具合を防ぐことができます。
- 解像度とスケーリング: 縦画面にした際に、解像度やテキストのスケーリング設定が適切でないと、画面表示が粗く見えたり、文字が小さすぎたりすることがあります。OSの設定で、適切な解像度とスケーリング率を確認・調整してください。
- ゲームや動画視聴など他の用途: 液タブを縦画面で使う設定は、主に描画作業に特化したものです。ゲームをプレイしたり、動画を視聴したりする際には、再度PCの画面設定を横画面に戻す必要があるかもしれません。用途に応じて、画面設定を切り替えられるようにしておくと便利です。
まとめ
XP-PENの液タブを縦画面で使うことは、特にキャラクターイラストや漫画制作において、作業効率と快適性を向上させる可能性を秘めています。PCのディスプレイ設定、XP-PENドライバの設定、そして使用する描画ソフトウェアの設定を適切に行うことで、理想的な縦画面環境を構築できます。メリット・デメリットを理解した上で、ご自身の制作スタイルに合った設定を見つけて、よりクリエイティブな制作活動にお役立てください。
