マウスコンピューター

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💻 マウスコンピューター:BTOのパイオニアと日本のPC市場における地位

マウスコンピューター(mouse computer)は、日本のPC市場において、BTO(Build to Order: 受注生産)モデルを主軸に据え、高いコストパフォーマンスと手厚い国内サポート体制で急速に成長してきた大手パソコンメーカーです。親会社は株式会社MCJであり、同グループにはiiyama(ディスプレイ)、ユニットコム(パソコン工房を運営)など、PC関連の主要企業が名を連ねています。

1. 創業とBTOモデルの確立

マウスコンピューターの歴史は、パソコンの低価格化とカスタマイズ需要の高まりとともに発展してきました。

  • 設立と変遷: 2006年に株式会社MCJから新設分割により誕生しました。黎明期からインターネットを通じた直販(D2C)モデルを採用し、顧客の注文が入ってから組み立てを行うBTO方式を徹底することで、無駄な在庫コストや中間マージンを極力排除しました。

  • 初期の戦略: 当時の日本のPC市場は大手電機メーカーの製品が主流でしたが、マウスコンピューターは高性能なパーツを標準採用しながらも、価格を大幅に抑えることに成功し、特にPCゲームユーザーや自作PCの知識を持つ層から支持を集めました。

  • 「国内生産」へのこだわり: 2008年、長野県飯山市に飯山工場を設立し、多くの製品の生産拠点を国内に移しました。これにより、Made in Japanの品質と迅速な納期を実現し、信頼性を高めました。この国内生産体制は、現在も同社の重要なアイデンティティとなっています。

2. 徹底したサポート体制と安心感

BTOメーカーは安価な分、サポートが手薄になりがちという従来のイメージを覆したのが、マウスコンピューターの充実したサポート体制です。

  • 24時間365日の電話サポート: マウスコンピューターの最大の強みの一つが、業界でも珍しい年中無休・24時間体制の電話サポートです。夜間や休日など、予期せぬトラブルが発生しやすい時間帯でも、すぐに専門スタッフによる日本語の対応を受けられるため、特にPCに不慣れなユーザーや法人顧客から高い評価を得ています。

  • 長期保証の標準化:

    • 多くのモデルで標準3年間無償保証(センドバック修理)を提供しています。これは、一般的なメーカーの保証期間(1年間)と比べて長く、長期的な利用における安心感を提供します。

    • 有償オプションとして、保証期間の延長(最長5年)や、万が一の故障時に出張修理を行うサービスなども用意されています。

  • 修理体制: 飯山工場には修理部門も併設されており、生産と修理を同一拠点で行うことで、迅速な診断と修理、そして品質フィードバックのサイクルを確立しています。

3. 用途別専門ブランド戦略

多様化する顧客ニーズに対応するため、ターゲットを細分化し、それぞれに特化したブランドを展開しています。

3.1. mouse (一般・パーソナル)

  • ターゲット: 一般的な個人ユーザー、学生、ビジネスパーソン。

  • 特徴: 日常利用やオフィス用途を想定した、バランスの取れたモデルが中心です。軽量・薄型のモバイルノートPCから、スタンダードなデスクトップPCまで、幅広いラインナップで多くのユーザーの「普段使い」を支えています。

3.2. G TUNE (ゲーミング)

  • ターゲット: PCゲーマー、eスポーツプレイヤー。

  • 特徴: 最新かつ最高性能のCPUとグラフィックボード(NVIDIA GeForce RTXシリーズなど)を搭載したハイエンドモデルが中心です。ゲーム中の高い負荷に耐える強力な冷却性能や、カスタマイズ性の高い設計が特徴で、eスポーツ大会への協賛なども積極的に行っています。2025年にブランドロゴや筐体デザインが一新され、より洗練されたゲーミングPCとして進化を遂げています。

3.3. DAIV (クリエイター)

  • ターゲット: 動画編集者、CGデザイナー、イラストレーター、カメラマンなどプロ・アマチュアのクリエイター。

  • 特徴: 4K/8K動画編集や3Dレンダリングなどの高負荷作業に耐えうる処理性能に加え、色精度にこだわったディスプレイ(特にノートPC)を採用しているのが特徴です。グラフィックボードはプロフェッショナル用途に特化したNVIDIA RTX Aシリーズなども選択可能です。

3.4. MousePro (法人・ビジネス)

  • ターゲット: 企業、官公庁、教育機関などの法人顧客。

  • 特徴: 企業での大量導入を想定し、高い安定性、セキュリティ機能、長期的な部品供給の保証、そして迅速なサポート体制を重視しています。タワー型、省スペース型、ミニPC、ラックマウント型など、オフィス環境に合わせた幅広いフォームファクタを提供しています。

4. 積極的なプロモーションと広報活動

マウスコンピューターは、テレビCMやインターネット広告を積極的に展開し、一般層への知名度向上に努めてきました。

  • 著名人起用: かつては人気アイドルグループを起用したCMが話題となり、若年層やファミリー層への認知度を一気に高めました。

  • キャッチフレーズ: 「パソコン買うならマウスコンピューター」というシンプルなメッセージと、覚えやすいマスコットキャラクターを通じて、強力なブランドイメージを確立しています。

5. まとめ

マウスコンピューターは、BTO方式による「価格」と「カスタマイズ性」という利点を最大限に活かしつつ、「国内生産」「24時間365日サポート」という「安心感」を付加することで、日本のPC市場において独自の地位を築き上げました。高性能なPCを求めるヘビーユーザーから、初めてPCを購入する初心者、そして法人顧客まで、幅広いセグメントに対して最適な製品とサービスを提供し続けている企業です。