XP-PENのペンがポインタとずれる(視差)を直す方法

XPPen・クリスタ情報

XP-PENペンのポインタずれ(視差)の解消方法

XP-PENタブレットを使用する際、ペンの入力位置と画面上のポインタ位置にずれが生じる「視差」は、描画作業におけるストレスの原因となります。この問題は、いくつかの要因によって引き起こされる可能性があり、適切な手順を踏むことで解消できる場合がほとんどです。ここでは、視差を解消するための詳細な方法と、関連する注意事項について説明します。

1. ペンタブレットのキャリブレーション(調整)

視差解消の最も基本的かつ効果的な方法は、ペンタブレットのキャリブレーション(調整)を行うことです。これにより、ペン先の位置と画面上のポインタ位置の関連付けが再設定されます。

1.1. ドライバソフトウェアからのキャリブレーション

XP-PENのペンタブレットには、専用のドライバソフトウェアが付属しています。このソフトウェア内でキャリブレーション機能が提供されています。

* **ドライバソフトウェアの起動:**
* Windowsの場合: タスクトレイ(画面右下)にあるXP-PENアイコンをダブルクリックするか、スタートメニューから「Pen Tablet」などの名称で検索して起動します。
* macOSの場合: アプリケーションフォルダから「Pen Tablet」などの名称で検索して起動します。

* **キャリブレーション項目の選択:**
* ドライバソフトウェアのインターフェース内で、「モニター設定」「画面設定」「キャリブレーション」などの項目を探します。
* 通常、複数のモニターを使用している場合は、どのモニターでキャリブレーションを行うかを選択する必要があります。視差が発生しているモニターを選択してください。

* **キャリブレーション手順:**
1. 「キャリブレーション開始」や「調整開始」といったボタンをクリックします。
2. 画面上に表示される、中央にターゲット(十字や点)が表示されます。
3. ペンタブレットのペンを、そのターゲットの中心に正確に当てます。
4. ターゲットが画面上の別の位置に移動するので、その都度、ペンの先端をターゲットの中心に正確に合わせます。
5. この作業を数回繰り返すことで、ドライバソフトウェアがペンと画面の対応関係を学習します。
6. 「完了」や「保存」といったボタンが表示されたら、クリックして設定を保存します。

* **注意点:**
* キャリブレーション中は、ペンタブレットのペン先を画面の奥までしっかりと押し付けすぎないように注意してください。軽く触れる程度で十分です。
* ターゲットを正確に狙うことが重要です。ずれが大きい場合は、より慎重に作業を行ってください。

1.2. OS標準のキャリブレーション(Windowsの場合)

Windowsには、ディスプレイのキャリブレーション機能も搭載されています。ペンタブレットによっては、このOS標準の機能も影響を与える可能性があります。

* **手順:**
1. Windowsの検索バーに「カラーマネジメント」と入力し、表示された「カラーマネジメント」を開きます。
2. 「詳細設定」タブを選択し、「システムデフォルト値を使用」のチェックを外します。
3. 「デバイス」のドロップダウンメニューから、使用しているディスプレイを選択します。
4. 「キャリブレーション」ボタンをクリックし、画面の指示に従って進みます。
5. ガンマ、輝度、コントラストなどの調整を行いますが、ペンタブレットの視差に直接関連するのは「ディスプレイのキャリブレーション」であり、ペンタブレット自体のキャリブレーションとは異なります。しかし、ディスプレイ表示が安定することで、視差の認識が改善されることがあります。

2. ドライバソフトウェアの再インストールとアップデート

ドライバソフトウェアの不具合や古いバージョンが原因で視差が発生している場合もあります。

* **アンインストール:**
1. まずは、現在インストールされているXP-PENドライバソフトウェアを完全にアンインストールします。Windowsの「アプリと機能」やmacOSの「アプリケーション」フォルダから、関連するソフトウェアを削除してください。
2. アンインストール後、PCを再起動することをお勧めします。

* **最新ドライバのダウンロード:**
1. XP-PENの公式ウェブサイトにアクセスします。
2. 「サポート」や「ダウンロード」セクションから、お使いのペンタブレットのモデルに合った最新のドライバソフトウェアをダウンロードします。
3. オペレーティングシステム(Windows 10, macOS Montereyなど)も正確に選択してください。

* **再インストール:**
1. ダウンロードしたドライバインストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストールを進めます。
2. インストール完了後、PCを再起動します。
3. 再起動後、再度キャリブレーションを実行してください。

* **注意点:**
* ドライバのアンインストール時に、「デバイスマネージャー」からもペンタブレット関連のドライバを削除すると、よりクリーンな状態からの再インストールが可能です。
* インストール中に、他のタブレットドライバ(Wacomなど)がインストールされていると競合する可能性があるため、それらを一時的に無効化またはアンインストールすることも検討してください。

3. 接続方法とケーブルの確認

ペンタブレットの接続方法やケーブルの状態も、視差に影響を与えることがあります。

* **USBポートの変更:**
* 使用しているUSBポートを変えてみてください。特に、USBハブを使用している場合は、PC本体のUSBポートに直接接続することを推奨します。
* USB 2.0ポートではなく、USB 3.0ポートを使用すると、より安定した通信が得られる場合があります。

* **ケーブルの確認:**
* ペンタブレットとPCを接続するケーブルに断線や接触不良がないか確認してください。
* 可能であれば、別のUSBケーブルやHDMIケーブル(表示一体型タブレットの場合)で試してみると、ケーブル自体の問題かどうかを切り分けることができます。

* **表示一体型タブレットの場合:**
* HDMIケーブル(またはDisplayPortケーブル)の接続も確認してください。
* 「拡張デスクトップ」と「ミラーリング」の設定が、意図した通りになっているか確認してください。視差解消のためには、通常「拡張デスクトップ」で、ペンタブレットをセカンドモニターとして設定し、そのモニターに対してキャリブレーションを行うのが一般的です。

4. 画面解像度とスケーリング設定の確認

PCの画面解像度やスケーリング設定が、ペンタブレットのドライバと互換性がない場合に視差が発生することがあります。

* **画面解像度:**
* PCのディスプレイ設定で、推奨されるネイティブ解像度に設定されているか確認してください。
* ペンタブレットのドライバ設定画面で、解像度に関する項目があれば、そちらも確認してください。

* **テキスト、アプリ、その他の項目のサイズ変更(スケーリング):**
* Windowsの場合: 「設定」→「ディスプレイ」→「スケーリング」で、表示サイズを「100%(推奨)」に設定してみてください。
* macOSの場合: 「システム環境設定」→「ディスプレイ」で、解像度を「デフォルト」または「スケーリング」で「テキストサイズ」を調整してみてください。
* スケーリング設定を変更した後は、PCの再起動とペンタブレットのキャリブレーションを再度行うことをお勧めします。

5. グラフィックドライバの更新

PCのグラフィックドライバが古い、または破損している場合、ディスプレイ表示に影響が出て、結果としてペンタブレットの視差に繋がることがあります。

* **NVIDIA, AMD, Intelなど、お使いのグラフィックカードメーカーのウェブサイトから最新のドライバをダウンロードし、インストールしてください。**
* **インストール後、PCの再起動とペンタブレットのキャリブレーションを再度行ってください。**

6. ソフトウェアごとの設定(CLIP STUDIO PAINTなど)

特定の描画ソフトウェアのみで視差が目立つ場合、そのソフトウェアの設定が影響している可能性があります。

* **CLIP STUDIO PAINTの場合:**
* 「ファイル」→「環境設定」→「ペン」タブに、「タブレットPCの設定」という項目があります。
* 「Wintab」と「Ink」という二つのモードが選択できる場合があり、お使いの環境によってどちらかが最適です。通常は「Wintab」が推奨されますが、視差が大きい場合は「Ink」に切り替えて試してみてください。
* 「描画エンジンの安定性」といった項目も、視差に影響を与えることがあります。
* 各設定を変更した後は、PCの再起動とペンタブレットのキャリブレーションを再度行うことが重要です。

7. ハードウェアの故障の可能性

上記の方法をすべて試しても視差が解消されない場合、ペンタブレット本体またはペンのハードウェアに故障がある可能性も考えられます。

* **別のPCで試す:** 可能であれば、別のPCにペンタブレットを接続して、視差が発生するかどうかを確認してください。もし別のPCでも同様の問題が発生する場合は、ハードウェアの故障の可能性が高いです。
* **サポートへの連絡:** ハードウェアの故障が疑われる場合は、XP-PENのカスタマーサポートに連絡し、修理または交換について相談することをお勧めします。購入時の保証期間内であれば、無償での対応が受けられる場合があります。

まとめ

XP-PENペンのポインタずれ(視差)は、主にドライバソフトウェアのキャリブレーション不足や不具合、接続の問題、OSやソフトウェアの設定など、様々な要因によって引き起こされます。まずは、ドライバソフトウェアからのキャリブレーションを丁寧に行うことが第一歩です。それでも改善しない場合は、ドライバの再インストール、接続方法やケーブルの確認、PCの各種設定(解像度、スケーリング、グラフィックドライバ)の見直し、そして特定のソフトウェアの設定確認へと進んでください。これらの手順を一つずつ試していくことで、多くの場合、視差の問題は解消できるはずです。最終的にハードウェアの故障が疑われる場合は、メーカーサポートへの相談を検討してください。