XP-PENのペンの遅延を最小限にするためのPC設定

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XP-PEN ペン遅延最小化のためのPC設定

はじめに

XP-PEN製タブレットをお使いの皆様、描画時のペン遅延にお悩みではありませんか?
本稿では、PCの設定を最適化することで、XP-PENタブレットのペン遅延を最小限に抑えるための具体的な方法を解説します。
ハードウェア、ソフトウェア、そしてオペレーティングシステムの各設定項目を網羅し、初心者の方でも理解しやすいように丁寧に説明いたします。
この設定を行うことで、より快適でストレスフリーなデジタルペイント・ドローイング体験をお楽しみいただけるはずです。

ハードウェア関連の最適化

グラフィックボード(GPU)の設定

ペンタブレットの描画処理は、PCのグラフィックボードに大きく依存します。
最新のグラフィックドライバをインストールすることは、パフォーマンス向上に不可欠です。
NVIDIA製GPUをお使いの場合は、GeForce Experienceから、AMD製GPUの場合はAMD Radeon Softwareから、最新ドライバをダウンロード・インストールしてください。
また、NVIDIAコントロールパネルやAMD Radeon Softwareの設定において、以下の項目を調整することで遅延を軽減できる可能性があります。

  • 垂直同期(V-Sync):一般的に「オフ」または「高速」に設定することで、描画の遅延を抑えることができます。ただし、画面のティアリング(ちらつき)が発生する可能性があるため、描画ソフト側の設定と併せて調整してください。
  • 低遅延モード:NVIDIAコントロールパネルには「低遅延モード」という設定があります。これを「オン」または「ウルトラ」に設定することで、入力遅延が削減されることが期待できます。
  • 電源管理モード:パフォーマンスを優先する設定(「最高パフォーマンスを優先」など)に変更することで、GPUが常に高いパフォーマンスを発揮しやすくなります。

USBポートの選択

XP-PENタブレットの接続には、USB 3.0以上のポートを使用することを推奨します。
USB 2.0ポートは帯域幅が狭いため、データ転送速度が遅くなり、遅延の原因となることがあります。
可能であれば、PC本体の背面にあるUSBポートを使用してください。前面ポートは、ケーブルの取り回しを考慮して配置されていることが多く、性能が劣る場合があります。
また、USBハブを使用している場合は、直接PC本体のUSBポートに接続してみてください。ハブを介することで、電力供給やデータ転送の安定性が損なわれる可能性があります。

PCの冷却

PCの温度が高い状態が続くと、CPUやGPUのパフォーマンスが低下し、遅延の原因となります。
定期的なPC内部の清掃(ホコリの除去)、CPUグリスの塗り直し、高性能なCPUクーラーの導入などを検討してください。
また、PCの設置場所も重要です。風通しの良い場所に設置し、直射日光を避けることで、冷却効果を高めることができます。
ノートPCの場合は、冷却台の使用も効果的です。

ソフトウェア関連の最適化

描画ソフトの設定

使用している描画ソフト側の設定も、遅延に大きく影響します。
各ソフトには、描画パフォーマンスを最適化するための設定項目が用意されています。

  • 描画エンジンの設定:Photoshopであれば「PhotoshopGPU設定」の「グラフィックペンタブレットサポート」を有効にする、Clip Studio Paintであれば「パフォーマンス」設定で「描画エンジンの最適化」を有効にするなど、描画処理をGPUにオフロードする設定を確認してください。
  • プレビュー設定:描画プレビューの品質を一時的に下げることで、描画処理の負荷を軽減できます。描画が完了してから、プレビュー品質を戻すといった運用も有効です。
  • 筆圧設定:描画ソフトの筆圧カーブ設定が極端すぎると、筆圧の拾い方に違和感が生じ、遅延のように感じることがあります。一度リセットして、自然なカーブになるように調整してください。
  • アンチエイリアス設定:アンチエイリアス(ジャギーを目立たなくする処理)は、描画負荷を増加させます。一時的に無効にするか、設定を低くすることで、描画速度を向上させることができます。

XP-PENドライバの設定

XP-PENタブレットのドライバソフトウェアにも、パフォーマンスを調整する項目が存在する場合があります。
ドライバのアップデートはもちろんのこと、設定画面を確認し、遅延に影響しそうな項目があれば調整してみてください。
「マウス機能」の「ポインター精度向上」は、一般的にオフにすることで、描画時のカーソル挙動がより直接的になり、遅延感が軽減されることがあります。

バックグラウンドで動作するアプリケーションの停止

PCのパフォーマンスは、同時に動作しているアプリケーションの数と種類に大きく影響されます。
描画作業中は、不要なアプリケーション(Webブラウザ、動画プレーヤー、チャットツールなど)を終了させましょう。
特に、CPUやメモリを多く消費するアプリケーションは、描画処理の妨げとなります。
タスクマネージャーを開き、CPUやメモリの使用率が高いプロセスを確認し、不要であれば終了させることをおすすめします。

オペレーティングシステム(OS)関連の最適化

電源プランの設定

Windowsの場合、電源プランを「高パフォーマンス」に設定することで、PC全体のパフォーマンスが向上し、遅延の軽減につながります。
「コントロールパネル」→「電源オプション」から設定できます。
ノートPCでバッテリー駆動時間が短くなることを懸念される場合は、ACアダプター接続時のみ「高パフォーマンス」に設定するなどの運用も可能です。

Windowsの視覚効果設定

Windowsには、ユーザーインターフェースを滑らかに見せるための様々な視覚効果があります。
これらはPCの負荷を高めることがあるため、描画パフォーマンスを最優先するならば、一部の視覚効果を無効にすることを検討してください。
「システムのプロパティ」→「詳細設定」→「パフォーマンス」の「設定」から、不要な視覚効果を無効にできます。
「デスクトップのアイコンで影を表示する」「ウィンドウの内容をドラッグ中に表示する」などを無効にすることで、描画処理にリソースをより多く割り当てられるようになります。

ディスプレイ設定

ディスプレイのリフレッシュレートが高いほど、画面の描画は滑らかになりますが、PCへの負荷も増加します。
描画ソフトの動作を優先する場合、リフレッシュレートを標準的な60Hzに下げることで、PCの負担を軽減できる可能性があります。
「設定」→「システム」→「ディスプレイ」→「ディスプレイの詳細設定」から変更できます。

ゲームモード(Windows 10/11)

Windows 10以降には「ゲームモード」が搭載されています。
これは、ゲームプレイ中のパフォーマンスを最適化し、バックグラウンドプロセスによるリソース消費を抑える機能です。
描画ソフトもゲームと同様に、PCのリソースを多く消費するため、ゲームモードを有効にすることで、遅延が改善される場合があります。
「設定」→「ゲーム」→「ゲームモード」から有効にできます。

まとめ

XP-PENタブレットのペン遅延を最小限に抑えるためには、ハードウェア、ソフトウェア、そしてOSの設定を総合的に最適化することが重要です。
今回ご紹介した設定項目を一つずつ確認し、ご自身のPC環境や描画ソフトに合わせて適用してみてください。
設定変更後は、必ず描画ソフトを起動して、実際に描画を行い、遅延が改善されたかを確認することが大切です。
これらの設定を試すことで、より快適でスムーズなデジタルアート制作環境が実現できることを願っております。