XP-PENのドライバがWindows Inkと競合する時の対策

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XP-PENドライバとWindows Inkの競合対策

XP-PEN製ペンタブレットのドライバとWindows Ink(Windowsの標準的な描画機能)が競合し、意図しない動作や機能不全を引き起こすケースは少なくありません。この問題は、特にペイントソフトや描画アプリケーションを利用する際に顕著になり、筆圧感知が効かなくなったり、描画が途切れたり、ペン先とカーソルの位置がずれるといった症状として現れます。

この競合を解消し、XP-PENタブレットを快適に利用するためには、いくつかの対策を講じる必要があります。以下に、具体的な手順と補足情報を記載します。

競合の原因と基本的な考え方

Windows Inkは、Windows OSが標準で提供するペン入力機能であり、様々なアプリケーションで共通して利用できるように設計されています。一方、XP-PENのドライバは、同社製タブレットの高度な機能(筆圧、傾き、ボタン割り当てなど)をOSやアプリケーションに連携させるための専用ソフトウェアです。

この二つが競合する主な原因は、それぞれがペン入力を処理しようとする際に、互いの処理を妨害してしまうことにあります。Windows Inkがペン入力を占有してしまうと、XP-PENドライバからの情報が正しくアプリケーションに伝わらなくなります。

そのため、競合対策の基本的な考え方は、Windows Inkのペン入力処理を無効化するか、あるいはXP-PENドライバ側でWindows Inkとの互換性を調整することになります。

対策1:XP-PENドライバ設定でのWindows Ink無効化

XP-PENのドライバソフトウェアには、Windows Inkとの連携を制御するオプションが用意されていることがほとんどです。この設定を変更することで、競合を解消できる可能性が最も高いです。

手順

  1. XP-PENドライバソフトウェアの起動: デスクトップのアイコンや、WindowsのスタートメニューからXP-PENのドライバソフトウェアを起動します。
  2. ペンタブレット設定画面の確認: 起動したソフトウェア内で、接続されているペンタブレットのモデルが表示されている画面に進みます。
  3. 「Windows Ink」または「Ink」関連の設定項目を探す: 設定項目の中に、「Windows Inkを有効にする」「Ink対応」といったチェックボックスやトグルスイッチがあるはずです。
  4. Windows Inkの無効化: このチェックボックスのチェックを外すか、トグルスイッチをオフにします。
  5. 設定の適用と保存: 設定変更後、「適用」や「OK」ボタンなどをクリックして、設定を保存します。
  6. PCの再起動: 変更を確実に反映させるために、PCを再起動します。

補足情報

  • ドライバソフトウェアのバージョンによっては、設定項目の名称や場所が異なる場合があります。もし見つからない場合は、XP-PENの公式ウェブサイトで最新のドライバをダウンロードし、再インストールしてみてください。
  • この設定を無効にしても、筆圧感知などの基本的な機能はXP-PENドライバ経由でアプリケーションに提供されるため、描画に支障はありません。
  • 一部のアプリケーション(例えば、Microsoft Edgeの注釈機能など)では、Windows Inkが必須となっている場合があります。もし、そのような特定のアプリケーションで問題が発生する場合は、この設定を再度有効にする必要があるかもしれません。

対策2:アプリケーションごとの設定調整

XP-PENドライバの設定でWindows Inkを無効化しても問題が解決しない場合や、特定のアプリケーションでのみ問題が発生する場合は、アプリケーション側の設定を調整することも有効です。

手順

  1. 問題が発生するペイントソフト・描画アプリケーションの起動: 例えば、Photoshop, Clip Studio Paint, Kritaなどを起動します。
  2. アプリケーションの「環境設定」または「オプション」を開く: メニューバーから「編集」→「環境設定」(または「ファイル」→「オプション」など)を選択します。
  3. 「タブレットPC」「ペン」「筆圧」などの設定項目を探す: アプリケーションによって項目名は異なりますが、ペン入力やタブレットに関する設定項目を探します。
  4. 「Windows Inkを使用する」または「Ink」関連の設定項目を探す: ここでも、Windows Inkの使用を許可するかどうかの設定項目がある場合があります。
  5. 「Windows Inkを使用しない」または「Ink」のチェックを外す: この項目があれば、チェックを外します。
  6. 設定の適用と保存: 設定変更後、「OK」などをクリックして保存します。
  7. アプリケーションの再起動: 設定を反映させるために、アプリケーションを再起動します。

補足情報

  • この設定は、アプリケーションがWindows Inkを直接利用するかどうかを制御します。XP-PENドライバが提供する筆圧情報などを、アプリケーションがどのように受け取るかに影響します。
  • すべてのアプリケーションにこの設定項目があるわけではありません。
  • CLIP STUDIO PAINTのような描画に特化したソフトウェアでは、Windows Inkを無効にすることで、より安定した筆圧感知が得られるという報告が多いです。

対策3:ドライバのクリーンインストール

上記の設定変更で解決しない場合、ドライバファイル自体が破損しているか、過去のドライバ情報が残っていることが原因である可能性があります。この場合は、ドライバのクリーンインストールが有効です。

手順

  1. 現在インストールされているXP-PENドライバのアンインストール: Windowsの「設定」→「アプリ」→「アプリと機能」から、XP-PENのドライバ(「Pen Tablet」や「P05」など、ドライバ名が表示されます)を検索し、アンインストールします。
  2. PCの再起動: アンインストール後、PCを再起動します。
  3. 一時ファイルの削除(推奨): OSのテンポラリフォルダ(%temp%)などを削除すると、よりクリーンな状態になります。
  4. 最新ドライバのダウンロード: XP-PENの公式ウェブサイトにアクセスし、お使いのタブレットモデルとOSバージョンに合った最新のドライバをダウンロードします。
  5. ドライバのインストール: ダウンロードしたインストーラを実行し、画面の指示に従ってドライバをインストールします。インストール中は、ペンタブレットをPCに接続しないように指示されることがあります。
  6. PCの再起動: インストール完了後、PCを再起動します。
  7. ペンタブレットの接続とドライバ設定: PC起動後、ペンタブレットを接続し、ドライバソフトウェアを起動して、必要に応じて設定を行います(対策1の設定など)。

補足情報

  • ドライバのアンインストール時には、「Driver uninstaller」のような専用ツールが提供されている場合もあります。もしあれば、そちらを使用するとより確実に削除できます。
  • クリーンインストールは、これまで蓄積された設定やファイルがすべてリセットされるため、根本的な解決策となることが多いです。

対策4:Windows Updateの確認とロールバック

稀なケースですが、Windows Updateの更新プログラムがXP-PENドライバとの互換性に影響を与えている可能性も考えられます。この場合は、Windows Updateの履歴を確認し、問題が発生した時期に近い更新プログラムを一時的にアンインストール(ロールバック)してみることも一つの手です。

手順

  1. Windows Updateの確認: Windowsの「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」→「更新の履歴を表示する」を選択します。
  2. 更新プログラムのアンインストール: 「更新プログラムをアンインストールする」をクリックし、最近インストールされた更新プログラムの中から、問題が発生した時期と関連がありそうなものを選択してアンインストールします。
  3. PCの再起動: PCを再起動し、問題が解消されたか確認します。

補足情報

  • この方法は、Windows Updateによって問題が発生していると特定できた場合にのみ有効です。
  • 更新プログラムをアンインストールすると、セキュリティ上のリスクが生じる可能性もあるため、慎重に行ってください。

それでも解決しない場合

上記すべての対策を試しても問題が解決しない場合は、以下の可能性が考えられます。

  • ハードウェアの故障: ペンタブレット本体や接続ケーブルに問題がある可能性があります。別のUSBポートに接続してみる、別のケーブルで試してみるなどの切り分けを行ってください。
  • OSの深刻な不具合: OS自体に何らかの深刻な問題が発生している可能性もゼロではありません。
  • アプリケーションとの非互換性: 特定のバージョンや古いアプリケーションとの間に、互換性の問題が発生している可能性もあります。

これらの場合は、XP-PENのサポートセンターに問い合わせることをお勧めします。その際、試した対策やPCの環境(OSバージョン、アプリケーション名、ドライババージョンなど)を具体的に伝えることで、より的確なサポートを受けられるでしょう。

まとめ

XP-PENドライバとWindows Inkの競合は、多くのユーザーが直面する可能性のある問題ですが、いくつかの手順を踏むことで概ね解決可能です。最も効果的なのは、XP-PENドライバの設定でWindows Inkを無効化することです。それがうまくいかない場合は、アプリケーション側の設定調整や、ドライバのクリーンインストールを試みてください。これらの対策を順番に試すことで、快適な描画環境を取り戻せるはずです。