XP-PEN Star G960S Plus レビュー:コスパ重視の板タブ
導入:なぜStar G960S Plusなのか?
デジタルイラスト制作の世界に足を踏み入れたばかりの初心者、あるいは予算を抑えつつも品質に妥協したくないクリエイターにとって、ペンタブレットの選択は非常に重要です。数ある選択肢の中から、XP-PEN Star G960S Plusは、その優れたコストパフォーマンスと必要十分な機能性で、多くのユーザーから注目を集めています。本レビューでは、このStar G960S Plusがなぜコスパ重視の板タブとしてお勧めできるのか、その細部にわたって掘り下げていきます。
製品概要と特徴
XP-PEN Star G960S Plusは、XP-PENが展開するコストパフォーマンスに優れた板タブレットシリーズの代表格です。その最大の特徴は、手頃な価格でありながら、プロフェッショナルな制作にも耐えうる高い描画性能を備えている点にあります。
主要スペック
- ペンタブレットの種類:液晶ペンタブレットではなく、板タブレット
- 筆圧レベル:8192レベル。繊細な線の強弱表現が可能
- 読取解像度:5080 LPI。高精細な描画を実現
- 読み取り速度:266 RPS。滑らかな線の追従性
- ペン:パッシブペン(電池不要)。傾き検知機能搭載
- 作業エリア:9 x 6インチ。十分な広さを確保
- ショートカットキー:8個。カスタマイズ可能
- 接続方法:USBType-C
- 対応OS:Windows、macOS、Android
デザインと携帯性
Star G960S Plusは、薄型軽量なデザインが特徴です。本体の厚さはわずか8mm、重さも約264gと非常にコンパクト。これにより、持ち運びが容易になり、外出先やカフェなど、様々な場所での制作活動をサポートします。また、表面はマットな質感で、ペンの滑りすぎを防ぎ、自然な描き心地を提供します。
ペンと筆圧
このペンタブレットの最も注目すべき点の一つが、8192レベルの筆圧感知です。これは、高価格帯のペンタブレットと同等レベルであり、非常に繊細な線の強弱を表現することができます。強く描けば太く濃く、弱く描けば細く薄くといった、アナログ画材のような表現が可能です。また、付属のペンはパッシブペンであるため、充電の必要がなく、いつでもすぐに描き始められます。傾き検知機能も搭載されており、筆圧と合わせてより自然な描画を可能にします。
ショートカットキー
Star G960S Plusには、8個のカスタマイズ可能なショートカットキーが搭載されています。よく使う機能(ブラシサイズ変更、消しゴム、undoなど)を割り当てることで、作業効率を大幅に向上させることができます。これらのキーは、左利き・右利き両方に対応するように配置されており、ユーザーフレンドリーな設計となっています。
接続性と互換性
接続はUSB Type-Cを採用しており、両面挿せるため、ケーブルの抜き差しにストレスを感じることがありません。また、Windows、macOSはもちろんのこと、Androidにも対応している点が特筆すべきです。これにより、スマートフォンやタブレットと接続して、外出先でも本格的なイラスト制作が可能になります。主要なペイントソフト(Photoshop, Illustrator, SAI, Clip Studio Paint, Kritaなど)との互換性も高いため、普段お使いのソフトでそのまま利用できます。
使用感と描画体験
実際にStar G960S Plusを使用して、その描画体験を検証しました。
ペンの操作感
8192レベルの筆圧感知のおかげで、線の強弱をコントロールする楽しさを存分に味わえます。特に、細い線から太い線までの移行が非常に滑らかで、アナログに近い感覚で描くことができます。傾き検知も、筆致のある表現を可能にし、絵に奥行きを与えてくれます。ペン先の摩耗については、他の板タブレットと同様に、使用頻度や素材によっては定期的な交換が必要になりますが、替え芯も付属しているため安心です。
作業エリアの広さ
9 x 6インチの作業エリアは、初心者から中級者にとって十分な広さと言えるでしょう。細かい部分の描画や、ある程度の面積の塗りつぶしも、窮屈さを感じずに行うことができます。もちろん、大画面の液晶タブレットのような圧倒的な解放感はありませんが、板タブレットとしてのバランスが取れています。
ショートカットキーの活用
ショートカットキーは、一度設定してしまえば手放せなくなるほど便利です。指先で頻繁に使う機能を呼び出せるため、画面とペンを行き来する手間が省かれ、制作フローが格段にスムーズになります。特に、ブラシサイズを頻繁に変更する方や、undoを多用する方には、その効果を実感していただけるはずです。
ドライバと設定
ドライバのインストールは簡単で、XP-PENの公式サイトから最新版をダウンロードできます。ドライバ設定画面では、筆圧カーブの調整、ショートカットキーの割り当て、ペンボタンの機能設定など、細かなカスタマイズが可能です。これらの設定を自分好みに調整することで、より快適な描画環境を構築できます。
Star G960S Plusのメリット・デメリット
あらゆる製品にはメリットとデメリットが存在します。Star G960S Plusも例外ではありません。
メリット
- 圧倒的なコストパフォーマンス:この価格帯で8192レベルの筆圧感知と傾き検知は驚異的
- 高精細な描画:5080 LPIの解像度により、繊細なディテールも描き込める
- 軽量・薄型で携帯性抜群:どこでも制作できる手軽さ
- Android対応:スマホでのイラスト制作が充実
- カスタマイズ性の高さ:ショートカットキーやドライバ設定で作業効率アップ
- 電池不要のパッシブペン:ストレスフリーな使用感
デメリット
- 液晶タブレットではない:画面を見ながら直感的に描く「直感性」は液晶タブレットに劣る
- 作業エリアの限界:プロのイラストレーターが求める広さには及ばない場合がある
- ショートカットキーの配置:一部のユーザーにとっては位置が固定されているため、慣れが必要な場合も
こんな人におすすめ
XP-PEN Star G960S Plusは、以下のような方々特におすすめです。
- デジタルイラスト制作を始めたい初心者:高機能なペンタブレットを手軽に試したい方
- 予算を抑えたい学生や趣味のクリエイター:コスパを重視しつつ、本格的な描画を楽しみたい方
- サブ機として板タブレットを探している方:携帯性に優れ、場所を選ばずに制作したい方
- スマホでイラスト制作をしたい方:Android対応は大きな魅力
- 絵の練習やラフ作業を効率化したい方
まとめ
XP-PEN Star G960S Plusは、その驚異的なコストパフォーマンス、高い描画性能、そして優れた携帯性によって、コスパ重視の板タブレットとして自信を持っておすすめできる製品です。8192レベルの筆圧感知や傾き検知機能は、アナログ画材のような自然な描画を可能にし、初心者から中級者まで、幅広いユーザーのクリエイティブな活動を強力にサポートします。
もちろん、液晶タブレットのような直感性や、プロの現場で求められる広大な作業エリアには及びませんが、Star G960S Plusが提供する機能と価格のバランスは類を見ないものです。デジタルイラストの世界に飛び込む最初の一台、あるいはセカンドデバイスとして、このStar G960S Plusは非常に有力な選択肢となるでしょう。
