XP-PEN Artistシリーズの筆圧が感知しない時の対処法

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XP-PEN Artistシリーズ 筆圧感知不良時のトラブルシューティング

はじめに

XP-PEN Artistシリーズをご利用中に、筆圧が感知しない、あるいは意図した通りに反映されないという問題に直面することがあります。このような筆圧感知不良は、複数の要因によって引き起こされる可能性があります。本稿では、その原因を特定し、解決へと導くための様々な対処法について、詳細に解説します。ご自身の環境に合わせて、一つずつ確認し、適用してみてください。

基本的な確認事項

電源と接続の確認

まず、最も基本的な部分から確認しましょう。Artistシリーズは、USBケーブルまたはHDMI/USBケーブルでPCに接続されています。ケーブルがPC本体、およびタブレット本体にしっかりと接続されているか、念のため抜き差しして確認してください。

また、PCのUSBポートを変更してみることも有効です。特定のUSBポートに問題がある場合、別のポートに接続することで解決することがあります。可能であれば、USBハブを介さずにPC本体のUSBポートに直接接続することをお勧めします。

PCの電源が正常に入っており、Artistシリーズのインジケーターランプ(もしあれば)が点灯しているかも確認しましょう。

ドライバの状況確認

筆圧感知は、PCとタブレット間の通信を司るドライバソフトウェアに大きく依存しています。ドライバが正しくインストールされていない、あるいは破損している場合、筆圧が正常に機能しないことがあります。

1. ドライバの再インストール

まずは、現在インストールされているドライバをアンインストールし、最新版を再インストールするのが最も効果的な方法です。

  1. XP-PENの公式サイトにアクセスし、ご自身のArtistシリーズのモデルに合った最新のドライバをダウンロードします。
  2. PCにインストールされている既存のドライバをアンインストールします。コントロールパネルの「プログラムのアンインストール」から行えます。
  3. PCを再起動します。
  4. ダウンロードした最新のドライバをインストールします。インストール中は、ArtistシリーズをPCに接続しないでください。
  5. ドライバのインストールが完了したら、PCを再度再起動し、ArtistシリーズをPCに接続します。

2. ドライバの競合の確認

他のペンタブレットメーカーのドライバや、タブレット関連のソフトウェアがインストールされている場合、それらがXP-PENのドライバと競合し、筆圧感知に影響を与えることがあります。これらのソフトウェアを一時的にアンインストールし、現象が改善するかどうか確認してください。改善した場合は、競合しているソフトウェアを特定し、必要に応じて設定を見直すか、XP-PENのドライバを優先するように設定します。

アプリケーション側の設定確認

ペイントソフトの筆圧設定

筆圧感知は、使用しているペイントソフトの設定にも影響を受けます。多くのペイントソフトには、筆圧の感度や最小筆圧などを調整する設定項目があります。

1. 筆圧感度の調整

Photoshop、Clip Studio Paint、SAIなどの主要なペイントソフトでは、以下の手順で筆圧設定を確認・調整できます。

  • Photoshop: 「編集」>「環境設定」>「タブレット」または「ペン」設定
  • Clip Studio Paint: 「ファイル」>「環境設定」>「タブレット」
  • SAI: 「ツール」>「オプション」>「タブレット」

これらの設定画面で、筆圧のカーブや最小値などが適切に設定されているか確認し、必要であれば調整してください。筆圧がまったく感知しない場合は、「筆圧を無効にする」といった設定が誤って有効になっていないか確認しましょう。

2. ブラシ設定の確認

特定のブラシ設定において、筆圧が反映されない場合があります。これは、そのブラシ自体が筆圧に依存しないように設定されているためです。使用しているブラシの設定を確認し、筆圧が適用されるように変更してみてください。通常、「不透明度」「サイズ」「流量」などの項目が筆圧によって変化するように設定できます。

Artistシリーズ本体の確認

ペン先の摩耗

Artistシリーズのペン先は消耗品です。長期間使用していると、ペン先が摩耗し、タブレット表面との接触が不十分になることがあります。これにより、筆圧が正しく感知されなくなる可能性があります。

1. ペン先の交換

ペン先が極端に短くなっていたり、先端が丸まっていたりする場合は、新しいペン先に交換してください。XP-PEN Artistシリーズには、通常、交換用のペン先が付属しています。ペンキャップを回して古いペン先を引き抜き、新しいペン先を奥までしっかりと差し込みます。

フィルムの剥がれや汚れ

Artistシリーズのタブレット表面には、保護フィルムやマットフィルムが貼られています。このフィルムが剥がれていたり、破れていたり、あるいは油分や汚れが付着していると、ペン先との接触が不安定になり、筆圧感知に影響が出ることがあります。

1. フィルムの状態確認と清掃

フィルムに剥がれや破れがないか確認してください。もし剥がれている場合は、慎重に剥がし、必要であれば新品のフィルムを貼り直します。
フィルムが汚れている場合は、柔らかい布(マイクロファイバークロスなど)で、中性洗剤を少量含ませたものを固く絞ってから優しく拭き取ります。アルコールなどの揮発性溶剤は、フィルムを傷める可能性があるため避けてください。

ペン内部の導電性

ペン内部の構造や、ペンとタブレット間の接触部分に問題がある場合も、筆圧感知に影響することがあります。
Artistシリーズのペンは、内部に電池を必要としないパッシブ方式が一般的ですが、ペン軸の金属部分や、ペン先を挿入する部分が汚れていると、導電性が低下することがあります。

1. ペン軸の清掃

ペン軸の金属部分や、ペン先が接触する部分を、乾いた柔らかい布で優しく拭いてみてください。ただし、分解や内部に無理な力を加えることは故障の原因となるため、絶対に行わないでください。

PC環境の確認

PCのパフォーマンス

PCの処理能力が低い場合、特に高解像度のキャンバスや複雑なブラシを使用している際に、ペンタブレットの入力処理が遅延したり、筆圧感知が不安定になることがあります。

1. 不要なアプリケーションの終了

バックグラウンドで動作している不要なアプリケーションを終了させ、PCのメモリとCPUの使用率を低く保ちましょう。タスクマネージャー(Windows)やアクティビティモニタ(macOS)で、CPUやメモリを多く消費しているプロセスを確認できます。

OSのアップデート

OSのバージョンが古い場合、最新のドライバやアプリケーションとの互換性に問題が生じることがあります。OSを最新の状態にアップデートすることで、問題が解決することがあります。

それでも解決しない場合

XP-PENサポートへの問い合わせ

上記の手順をすべて試しても筆圧感知の問題が解決しない場合は、ハードウェアの故障や、より複雑なソフトウェアの問題である可能性があります。その際は、XP-PENの公式サポートに問い合わせることをお勧めします。購入時の保証期間内であれば、修理や交換の対象となる可能性があります。

問い合わせの際には、以下の情報を準備しておくとスムーズです。

  • Artistシリーズの正確なモデル名
  • OSのバージョン
  • 使用しているペイントソフトとそのバージョン
  • 発生している現象の詳細(いつから、どのような状況で発生するか)
  • 試した対処法
  • 購入時期や購入証明

まとめ

XP-PEN Artistシリーズの筆圧感知不良は、ドライバの問題、アプリケーションの設定、ペン先の摩耗、あるいはPC環境など、様々な要因が考えられます。本稿で紹介した基本的な確認事項から、より詳細な設定、そしてハードウェアのチェックまで、一つずつ丁寧に進めることで、多くの問題を解決できるはずです。もし、ご自身で解決が難しい場合は、遠慮なくXP-PENのサポートを活用してください。