ASCII(アスキー)とは、American Standard Code for Information Interchange(情報交換用米国標準コード)の略で、文字コードの一種です。簡単に言うと、コンピュータ上で文字や記号などを表現するための規格です。
ASCIIの基本的な仕組み
コンピュータは、内部的には数値を扱うことで様々な処理を行っています。文字や記号も、そのままではコンピュータで扱うことができないため、数値に変換する必要があります。ASCIIは、それぞれの文字や記号に固有の数値を割り当てることで、コンピュータが文字や記号を理解し、処理できるようにしています。
ASCIIの特徴
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7ビットコード: ASCIIは、7ビットの数値を使って文字や記号を表現します。7ビットで表現できる数値の範囲は0から127までなので、ASCIIで表現できる文字や記号の種類は128種類です。
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基本的な文字セット: ASCIIには、英字(大文字・小文字)、数字、記号、制御コードなどが含まれています。
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国際的な標準: ASCIIは、初期のコンピュータで広く利用されたため、国際的な標準となり、様々なコンピュータやソフトウェアでサポートされています。
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拡張ASCII: ASCIIは7ビットコードですが、後に8ビット(0から255までの数値)を使用する拡張ASCIIが登場しました。拡張ASCIIは、ASCIIの基本的な文字セットに加え、様々な国の文字や記号などを表現するために使用されました。
ASCIIに含まれる主な文字・記号
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英字(大文字): A, B, C, …, Z
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英字(小文字): a, b, c, …, z
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数字: 0, 1, 2, …, 9
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記号: !, “, #, $, %, &, ‘, (, ), *, +, ,, -, ., /, :, ;, <, =, >, ?, @, [, , ], ^, _, `
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制御コード: Null (NULL), Line Feed (LF), Carriage Return (CR), Escape (ESC) など
ASCIIの重要性
ASCIIは、コンピュータが文字や記号を理解するための基本的な規格であるため、様々な場面で利用されています。
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テキストファイルの保存: テキストファイルは、ASCIIコードで文字や記号を保存することで、異なるコンピュータやソフトウェアでも同じように表示することができます。
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プログラミング: プログラミング言語では、ASCIIコードを使って文字や記号を処理することがあります。
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インターネット: インターネット上で文字や記号をやり取りする際にも、ASCIIコードが利用されることがあります。
ASCIIの限界
ASCIIは、7ビットコードであるため、表現できる文字や記号の種類が128種類に限られています。そのため、英語以外の言語の文字や記号を表現することができません。
Unicodeの登場
ASCIIの限界を克服するために、Unicodeという新しい文字コードが登場しました。Unicodeは、16ビットまたは32ビットの数値を使って文字や記号を表現するため、非常に多くの種類の文字や記号を表現することができます。現在では、多くのコンピュータやソフトウェアでUnicodeがサポートされており、多言語に対応した情報処理が可能になっています。
まとめ
ASCIIは、コンピュータが文字や記号を理解するための基本的な規格であり、情報処理の分野において重要な役割を果たしてきました。Unicodeの登場により、その役割は徐々に小さくなっていますが、依然として多くの場面で利用されています。